予備役6万人招集へ=ガザ市制圧計画でイスラエル軍―報道 2025年08月20日 20時06分

【カイロ時事】イスラエル軍当局者は20日、パレスチナ自治区ガザの主要都市ガザ市制圧に向けて予備役の兵士約6万人を招集すると明らかにした。複数のイスラエルメディアが伝えた。実際に制圧作戦に踏み切れば、2026年まで続く見通しという。
カッツ国防相が19日、ザミール軍参謀総長らと協議し、軍の作戦計画を承認した。軍はガザ市にイスラム組織ハマスの部隊が残っているとみており、カッツ氏は「作戦が完了すれば、ガザの様相は一変する」と述べたという。作戦計画は近く、治安閣議に示されるとみられる。
一方でイスラエルは、ハマスが同意した60日間の停戦案を精査している。ハマスが拘束する人質は死者も含め残り50人で、停戦案では存命の10人を解放する予定。人質全員の奪還を目指すイスラエルが、一部解放にとどまる今回の案を受け入れるかは不透明だ。イスラエルはガザ市制圧の準備を同時に進め、簡単には停戦に同意しない姿勢を強調し、ハマスを揺さぶる狙いもありそうだ。
交渉仲介国カタールの外務省報道官は19日、ハマスは「非常に前向きな返答を行った」と指摘。停戦案については「イスラエルが以前同意した内容とほぼ同じものだ」と強調した。その上で、突破口が開かれたわけではないものの、「前向きな段階にある」とイスラエルの同意に期待を示した。
AFP通信によれば、ハマス幹部の一人はSNSで「(停戦)合意に達する可能性に向け、(ハマスは)大きくドアを広げた。残された問題は、それを(イスラエルの)ネタニヤフ(首相)が過去のようにまた閉めてしまうかどうかだ」と主張した。