「映える」動物サービス物議=ホテル客室にレッサーパンダ―中国 2025年07月27日 07時32分

レッサーパンダによる「モーニングコール」サービス(中国のSNS「小紅書」の投稿より)
レッサーパンダによる「モーニングコール」サービス(中国のSNS「小紅書」の投稿より)

 【北京時事】中国のホテルや飲食店による動物を利用したサービスが物議を醸している。SNS映えして話題になるケースが多い一方、動物愛護や利用者の安全への配慮が乏しい施設も目立つ。当局が規制に乗り出す事態になった。
 重慶市の高級ホテルは、レッサーパンダを従業員が客室に運び、寝ている人を起こすよう仕向ける「モーニングコール」サービスを提供。その様子がSNSに投稿され、「かわいい。行ってみたい」と注目を集めた。
 ただ、中国南部などに生息するレッサーパンダは、国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定している。SNSでは「保護動物を金もうけに使うべきじゃない」「かまれたら危ない」と批判の声も上がった。当局は6月、ホテルに中止命令を出し、調査を行った。
 また、山西省では7月、ライオンの子どもを抱いてアフタヌーンティーを楽しめるサービスをうたっていた飲食店が当局の調査対象になった。1000元(約2万円)超のセットメニューの一部として、動物と触れ合えるチケットを販売していたという。
 いずれの場合も、当局は動物との至近距離での接触を安全上の観点などから問題視している。ただ、事前の承認を得た商業施設が希少動物を飼育すること自体は合法だ。山西省の飲食店は「科学普及のための展示」という名目で許可を得ていたといい、SNS映えで集客を狙う施設は「あの手この手」で法律の穴をくぐり抜けようとしているのが実情だ。 

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