反汚職デモの要求に応えず=ウクライナ大統領、新法案上程 2025年07月25日 20時32分

ウクライナのゼレンスキー大統領=10日、ローマ(AFP時事)
ウクライナのゼレンスキー大統領=10日、ローマ(AFP時事)

 ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、汚職対策当局の権限を奪う法律の制定に抗議デモが広がっている問題を巡り、24日に新たに上程した法案を説明した。「腐敗撲滅の流れに逆行する」として法律撤回を訴えるデモ隊の要求に応えるものではなく、早期の事態沈静化は望めなさそうだ。
 新たな法案は「汚職対策当局の独立性を保つ」とうたいつつ、ロシアに親族を持つ当局者にスパイの疑いがないか「うそ発見器」で隔年調査する内容といい、圧力を強める側面が浮かび上がっている。
 国民は腐敗が深刻なウクライナで高官や新興財閥(オリガルヒ)にメスを入れられる「独立性」を重視しており、反汚職を公約としたゼレンスキー政権への不信感は解消されないままだ。ロシアの侵攻下で初めての反政権デモは、22日から続いている。 

海外経済ニュース