ホームレス一掃へ大統領令=トランプ氏、「治安維持」訴え―米 2025年07月25日 08時33分

米国務省近くに設営された路上生活者のテントを撤去する首都ワシントン市当局の職員ら=3月7日、ワシントン(AFP時事)
米国務省近くに設営された路上生活者のテントを撤去する首都ワシントン市当局の職員ら=3月7日、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は24日、ホームレスを拘束し、ケア施設に収容することを可能とする大統領令に署名した。「圧倒的多数が薬物中毒か精神疾患の状態にある」と主張し、治安維持の目的を強調している。
 トランプ氏は「ホームレス嫌い」で知られ、首都ワシントンの市当局にも路上生活者のテントを撤去するよう圧力をかけた経緯がある。大統領令は、収容関連事業に連邦補助金を手当てするとしている。
 連邦最高裁は昨年、公共の場での野営を自治体が禁止できると判断。ホームレス支援団体などは、他に行き場がない人を拘束したり罰金を科したりすることは、憲法修正8条で禁じられた「過大な刑罰」に当たると批判している。
 住宅都市開発省によると、米国でホームレスを経験した人は昨年77万人に達し、過去最多の水準だった。背景に不法移民の急増や、住宅価格の高騰などが指摘される。 

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