イスラエル軍駐留で条件提示か=ハマス、停戦案に回答―ガザ交渉 2025年07月24日 14時23分

援助物資配布所から人道支援を受けた後、通りを歩く人たち=22日、パレスチナ自治区ガザ(AFP時事)
援助物資配布所から人道支援を受けた後、通りを歩く人たち=22日、パレスチナ自治区ガザ(AFP時事)

 【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉を巡り、イスラム組織ハマスは24日声明を出し、米国やカタールなど仲介国が先に示した60日間の停戦案について回答したことを明らかにした。ただ、イスラエルメディアなどによれば、主要な争点となっていた停戦期間中のイスラエル軍の駐留範囲などに関して条件を付けたといい、早期の交渉妥結は依然見通せない状況だ。
 イスラエルは既に同案に同意しており、ハマスの出方が焦点となっていた。AFP通信によると、カタールの首都ドーハで続く停戦交渉に詳しいパレスチナ筋は、イスラエル軍の駐留範囲を定めた地図のほか、ガザへの物資搬入、恒久停戦の保証についてハマスが修正を要求したと語った。
 イスラエル紙ハーレツなどによれば、同国のネタニヤフ首相の側近であるデルメル戦略問題相と米国のウィトコフ中東担当特使、カタール高官は24日にローマで会談予定で、ハマス側の回答を精査する見通しだ。ローマでの協議で進展が見られれば、ウィトコフ氏はドーハに移り、さらに議論を続ける。
 報道によると、イスラエル政府報道官は23日、「イスラエルはウィトコフ氏らの修正案を受け入れており、拒絶しているのはハマスの方だ」と批判。レビット米大統領報道官は「できる限り早期の停戦実現を望んでいる」と語った。
 一方、イスラエルが物資搬入を制限するガザでは深刻な食料不足が続く。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は23日、「(物資は)生きるのに必要な量を大きく下回っている。日々、栄養失調に関連する死亡事例が報告されている」と指摘。「これは人間によってつくられた大規模飢餓だ」と訴えた。 

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