習氏、欧州に協力呼び掛け=貿易やウクライナ問題では溝―中国・EU首脳会談 2025年07月24日 17時29分

【北京時事】中国の習近平国家主席は24日、欧州連合(EU)のコスタ大統領、フォンデアライエン欧州委員長と北京で会談した。双方は貿易問題やウクライナ侵攻を続けるロシアへの対応を巡って溝が大きいが、習氏は国際協調に否定的なトランプ米政権を念頭に、連携の必要性を強調。「多国間主義」の堅持や気候変動対策での協力強化で合意した。
中国外務省によると、習氏は「国際情勢が厳しさを増すほど、中国と欧州は協力を深めなければならない」と指摘。「欧州が現在直面している問題は中国由来ではない」とも主張し、通商や投資の拡大を訴えた。
米国との長期対立を見据える習政権が欧州への接近を図る一方、EUは近年拡大している対中貿易赤字を問題視し、不当な補助金によって安価になっている中国製電気自動車(EV)が市場競争をゆがめているとみている。中国がロシア産原油の購入や軍民両用品の対ロ輸出を通して侵攻を下支えしていることへの不信感も大きい。
EU側によると、会談でフォンデアライエン氏は「EU・中国間の物品貿易は1日20億ユーロ(約3400億円)を超えるが、協力が深まるにつれて不均衡も大きくなった」と指摘。「持続可能」な関係構築に向けた是正を求めた。コスタ氏は、中国がロシアに影響力を行使し、侵攻を終わらせるべきだと語った。
コスタ、フォンデアライエン両氏は李強首相とも会った。一連の会談の中でEU側は「ロシアの軍事産業を維持させる物質的支援」を停止するよう中国側に改めて要請した。
EUは18日、暗号資産(仮想通貨)サービスを提供し、ロシアを支援したとして中国の二つの金融機関を制裁対象に指定。中国側は強く反発し、対抗措置を示唆している。