よみがえる苦い記憶=議長国カナダ、トランプ氏に翻弄―G7サミット 2025年06月17日 15時01分

【カナナスキス時事】トランプ米大統領の先進7カ国首脳会議(G7サミット)途中での帰国は、議長国カナダにとって苦い記憶を思い起こさせることになった。前回議長国を務めた2018年シャルルボワでのサミットでは、トランプ氏が首脳宣言採択後に「承認しない」と反発。今回は緊迫する中東情勢が背景にあるとはいえ、2回続けてトランプ氏に翻弄(ほんろう)された形だ。
「理由は十分に理解している」。討議初日に急きょ発表されたトランプ氏の離脱について、報道陣に問われたカナダのカーニー首相は理解を示し、トランプ氏の同国訪問に謝意を表した。トランプ氏自身も「全員と素晴らしい関係を築くことができた。あすも滞在したかった」と語り、友好ムードを強調した。
ただ、「G7の結束」を打ち出すことを最大の目的としてきたカーニー氏にとって、トランプ氏の離脱は想定外の事態。前回の「教訓」を踏まえ、合意の難しい包括的な首脳宣言ではなく、決裂しにくいテーマ別の個別文書の発出に的を絞るなど周到に準備してきただけに、意気込みに水を差される結果になった。