ガザ支援組織、強制移住に加担も=UNRWA事務局長が懸念 2025年05月28日 19時55分

記者会見する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長=28日午後、東京都千代田区の日本記者クラブ
記者会見する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長=28日午後、東京都千代田区の日本記者クラブ

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長は28日、パレスチナ自治区ガザでの支援物資配給のため米・イスラエルが主導して設置した組織「ガザ人道財団」が「住民に移住を強いる恐れがある」と懸念を表明した。東京都内の日本記者クラブで会見した。
 ラザリニ氏は「財団の配給所はガザ南部にしかない」と指摘し、住民それぞれの居住地で現地のニーズに基づきサービスを提供するといった人道支援の原則が守られていないと非難。今後はガザから追放を含め、住民をガザの特定地域から排除するために、支援が「武器」として使われる可能性に言及した。
 イスラエルはUNRWAに対し、イスラム組織ハマスと関係が深いと非難を繰り返している。ラザリニ氏はこれを念頭に「UNRWAがテロ集団との偽情報キャンペーンが続いている」と指摘。米国の資金拠出停止でUNRWAが「切迫した状況」に陥っていると明かした。今年の活動資金は2億ドル(約290億円)が不足していると訴え、日本を含む国際社会に追加の資金拠出や寄付を求めた。 

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