学生ビザ面接、新規予約停止=SNS審査強化、発給に遅れも―米 2025年05月28日 05時02分

【ワシントン時事】米国務省は27日、米国留学希望者が学生ビザ(査証)を取得する際に必要な面接の新規予約を一時停止するよう在外公館に指示した。複数の米メディアが報じた。審査の拡大・強化が理由だが、これまでより発給に時間を要する恐れがあり、米国留学を目指す日本人にも影響を及ぼしそうだ。
ビザ申請者が利用するSNSへの投稿内容に関する調査を強化するとみられる。国務省のブルース報道官は27日の記者会見で「入国者の審査手続きを非常に真剣に考えている」と述べたが、報道の確認を避けた。取得希望者には手続きに従うよう呼び掛けた。
政治専門紙ポリティコ(電子版)などによれば、国務省が27日に各国の大使館や領事館宛てにルビオ長官の署名入りで公電を出し、「SNSの審査義務拡大に備えるため」、学生対象の「F」「M」、交流訪問者向けの「J」のビザ申請者との面接予約を停止するよう命じた。「数日以内」に追加で指針を示すという。
米国の大学は8~9月にかけて新年度が始まるため、留学希望者は今の時期からビザ申請を本格化させる。CNNテレビは「タイミングは偶然ではない。(収入を)留学生に頼る多くの大学に打撃を与えるためだ」との専門家の意見を伝えた。
トランプ政権は、反ユダヤ主義的な投稿を行ったり、親パレスチナの抗議活動に参加したりした学生のビザを取り消すなど、締め付けを強めている。ルビオ氏も「ビザは(固有の)権利ではなく、(与えられた)特典だ」と述べ、審査を厳格化する考えを表明。20日の上院公聴会では、現政権発足後に300件以上の学生ビザなどを取り消したと明らかにしていた。
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