欧州、対イスラエル批判強まる=ガザ作戦拡大巡り応酬 2025年05月24日 16時26分

【ロンドン時事】イスラエルの軍事作戦拡大で悪化の一途をたどるパレスチナ自治区ガザ情勢を巡り、欧州などで対イスラエル批判が強まっている。英仏カナダは共同声明で「ガザでの苦悩を容認できない」と軍事行動を厳しく非難。これに対し、イスラエルのネタニヤフ首相は22日、3カ国が「歴史上、人道上の間違った側にいる」と反論した。欧州各国によるパレスチナ国家承認の流れも相まって、外交上の応酬に発展している。
19日発表の共同声明は「一般住民への必要不可欠な人道支援の拒否は許されない」と述べ、ガザへの支援物資搬入を制限していることについてイスラエルによる国際法違反の可能性を指摘。軍事作戦の拡大に「強く反対」と表明し、即時中止しなければ「具体的な行動」に出ると迫った。英国は20日、イスラエルとの自由貿易協定(FTA)交渉の即時中断を発表した。
一方、ネタニヤフ氏は、イスラム組織ハマスによる2023年10月のイスラエル領内への奇襲攻撃が軍事作戦の直接の引き金だったことを踏まえ、3カ国首脳は「大量殺人者や誘拐犯」の側にいると非難した。
欧州ではパレスチナを国家として承認する国が相次いでおり、昨年はスペインとアイルランド、ノルウェーなどが承認した。フランスのマクロン大統領も今年4月、和平実現に向けて「数カ月以内」に承認する可能性を示唆。英国もこれに同調する構えとされる。