セバスチャン・サルガドさん死去=ブラジル出身の写真家、81歳 2025年05月24日 06時42分

【サンパウロ時事】ブラジル出身の世界的写真家セバスチャン・サルガドさんが23日、パリで死去した。81歳だった。自身が設立したNPOなどが発表した。地元メディアによると、長年マラリアの合併症を患っていた。モノクロ写真を通じ戦争や貧困など世界が直面する現実を浮き彫りにした。
1944年2月、ブラジル南東部ミナスジェライス州生まれ。大学で経済学を専攻し、左派を支持した。
軍事独裁政権から逃れようと69年に渡仏し、73年に写真家に転身。国際的な写真家集団「マグナム・フォト」に所属し、81年3月に起きたレーガン米大統領(当時)暗殺未遂事件の現場を捉えた写真で世界に知られた。2021年には国際的に活躍する芸術家をたたえる「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞した。
親交があるブラジルのルラ大統領はX(旧ツイッター)で、「世界があまりにも不平等であるという事実への抵抗と抑圧された人々の現実を描写する才能は、常にあらゆる人間の良心に訴える警鐘となってきた」と追悼した。