USスチールへの投資承認=「日鉄とパートナーシップ」―経済効果2兆円・トランプ氏 2025年05月24日 06時07分

トランプ米大統領=23日、東部メリーランド州(AFP時事)
トランプ米大統領=23日、東部メリーランド州(AFP時事)

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は23日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画に関し、「計画的なパートナーシップ(提携)」を承認する意向を明らかにした。SNSに投稿した。これにより、7万人の雇用が創出され、140億ドル(約2兆円)の経済効果が生まれると強調した。米政権や業界労組の反対で1年半にわたり行き詰まっていた買収計画が一転、動きだした。
 トランプ氏は、買収承認を明言していない。ただ米CNBCテレビは、トランプ氏が買収計画を承認したと報じた。
 トランプ氏は投稿で「熟慮と交渉の結果、USスチールは米国にとどまり、本社をピッツバーグに置くことを誇りに思う」と表明。「『USスチール』の名は偉大さの代名詞だったが、再びそうなるだろう」と書き込んだ。日鉄によるUSスチールへの投資の大部分は1年2カ月以内に実施されるという。
 買収計画を巡っては、バイデン前大統領が1月、国家安全保障上の懸念を理由に中止を命じた。トランプ氏は完全買収を認めない姿勢を示す一方、対米外国投資委員会(CFIUS)に計画の再審査を指示。今月21日に提出された勧告書に基づき、トランプ氏は安保上の懸念はないと判断したとみられる。
 日鉄は日本時間24日、「日鉄とUSスチールのパートナーシップを承認したトランプ大統領の英断に心より敬意を表する」との声明を発表。「USスチールとすべての利害関係者、米製造業全体にとって画期的な転機となる」と強調した。USスチールは「今後も米国企業であり続け、日鉄とのパートナーシップを通じ、より大きく強く成長していく」とのコメントを出した。 

その他の写真

USスチールの製鉄所=2022年10月、米東部ペンシルベニア州(AFP時事)
USスチールの製鉄所=2022年10月、米東部ペンシルベニア州(AFP時事)
日本製鉄の製鉄所=2024年12月、茨城県鹿嶋市(AFP時事)
日本製鉄の製鉄所=2024年12月、茨城県鹿嶋市(AFP時事)

海外経済ニュース