安保・貿易、協力強化で合意=離脱後初の首脳会合、関係再構築―英EU 2025年05月19日 22時51分

19日、ロンドンで記者会見するスターマー英首相(左)と欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長(EPA時事)
19日、ロンドンで記者会見するスターマー英首相(左)と欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長(EPA時事)

 【ロンドン時事】英国と欧州連合(EU)加盟国の首脳会合が19日、ロンドンで開かれた。2020年に英国がEUを離脱して以降、首脳会合の実施は初めて。防衛や安全保障、貿易など双方が抱える共通の課題について協議し、一層の協力強化で合意した。離脱後で最も重要な関係の再構築となる。
 昨年7月に誕生したスターマー英労働党政権は、保守党政権下での離脱によってぎくしゃくしたEUとの関係を「リセット」すると主張。非加盟ながら「パートナー」として、より緊密な関係を築き、利害の一致する分野で共同歩調を取る戦略を描いてきた。
 とりわけ安保分野で、欧州はロシアの脅威増大に直面。また、自国第一を掲げるトランプ米政権は欧州の安保やウクライナ支援に消極的で、欧州独自の防衛力強化に取り組む必要に迫られている。
 このため会合では、英EU間の「安保・防衛協定」を新たに締結。高官級の定期協議を半年ごとに実施するほか、英防衛企業によるEUの融資制度活用を容易にするなど、防衛面での協力加速で一致した。 

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