豪保守野党、親イスラエル鮮明に=政権取ればガザ支援停止 2025年03月20日 15時37分

オーストラリアの保守系最大野党・自由党のダットン党首=2023年10月、シドニー郊外(EPA時事)
オーストラリアの保守系最大野党・自由党のダットン党首=2023年10月、シドニー郊外(EPA時事)

 【シドニー時事】オーストラリアの保守系最大野党・自由党のダットン党首は20日、5月に見込まれる次期総選挙を前にシンクタンク、ローウィー国際政策研究所で演説し、政権を奪還した場合に中東外交で親イスラエルの姿勢を取ることを鮮明にした。国連機関を通じたパレスチナ自治区ガザ住民への人道支援を停止する考えも示した。
 ダットン氏は「イスラエルは緊密な友好国だ」と強調。アルバニージー労働党政権がイスラエルにガザ攻撃の自制を求めたことやパレスチナの国連加盟を支持したことについて「イスラエルを敵のように扱っている」と非難した。さらに「私が率いる政権から国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が資金を受け取ることはない」と明言。また、イスラエルとの自由貿易協定締結を目指すと表明した。
 多民族国家の豪州には、ユダヤ系住民だけでなく、アラブ諸国からの移民も多く、労働党はパレスチナ問題でバランスを取ることに腐心してきた。自由党はこれに不満を持つ保守層の票獲得を狙う。一方、左派野党・緑の党はパレスチナ寄りの態度を示しており、中東外交は選挙の争点の一つとなりそうだ。 

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