米ロ首脳、一時停戦合意せず=エネ施設攻撃は停止―サウジで23日高官協議・ウクライナ侵攻 2025年03月19日 16時58分

トランプ米大統領(右)とロシアのプーチン大統領(AFP時事)
トランプ米大統領(右)とロシアのプーチン大統領(AFP時事)

 【ワシントン時事】トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領は18日に電話会談し、ロシアの侵攻が続くウクライナでの停戦について協議した。ウクライナが先に同意した30日間の停戦案については、プーチン氏が拒否。エネルギーインフラ施設を標的とする攻撃の停止や、和平に向けた交渉の継続で合意したが、トランプ政権が目指す即時停戦の実現には、道のりの厳しさが浮き彫りになった。
 両首脳の会談は約2時間に及んだ。双方は紛争が「永続的な和平」で終結する必要があるとの認識を共有。今後の交渉を中東地域で行うことで一致した。米国のウィトコフ中東担当特使はメディアに、23日に米ロ高官協議をサウジアラビア西部ジッダで開催すると明らかにした。ルビオ国務長官らが出席する。
 会談では、プーチン氏が停戦合意違反を監視する体制の問題点を指摘した。ウクライナが停戦中に戦力立て直しを図ることへの懸念も表明し、前線全体での一時停戦を受け入れなかった。一方で、エネルギー関連施設への攻撃を30日間自制する提案は受け入れ、攻撃対象から外すよう軍に命じた。
 トランプ氏は自身のSNS上で「(会談は)非常に有意義で生産的だった」と自賛。会談後に応じたFOXニュースとのインタビューでも「素晴らしい電話だった。和平に向けて多くのことを話し合った」と強調した。
 ロシア側によると、プーチン氏は「危機の根本原因を排除する必要性と、ロシアの安全保障分野の正当な利益を考慮しなければならない」と主張。米国が再開したウクライナへの武器供与や情報共有を取りやめることも要求した。
 ただ、トランプ氏はFOXに対し「支援については全く協議していない」と語っており、ロシア側発表と食い違っている。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は、会談直後にロシアのドローン攻撃があり、電力施設などのインフラが損壊したと発表。AFP通信によると、ドイツのピストリウス国防相はテレビのインタビューでロシアの攻撃を非難し、プーチン氏が「駆け引きをしている」と指摘した。 

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