自由の女神像の返還要求=仏議員、トランプ政権は反発 2025年03月18日 06時33分

【ワシントン時事】フランス選出の欧州連合(EU)欧州議会議員が、米国はもはや自由の女神像寄贈時の価値観を体現していないとして、返還を要求した。これに対し、レビット米大統領報道官は返還を拒絶した上で反発。米仏間の価値観の溝を改めて露呈した。
AFP通信によると、返還を求めたのは中道左派のラファエル・グリュックスマン議員。トランプ米大統領がウクライナに侵攻するロシアのプーチン大統領に加担しているなどとして、16日の政治集会で「暴君の側に付くことを選び、科学の自由を求める研究者を解雇した米国人に、『自由の女神像を返せ』と言うつもりだ」と訴えた。
一方、レビット氏は17日の記者会見でこの議員を「無名のフランス人の下級政治家」とやゆ。第2次大戦を念頭に「フランス人が今ドイツ語を話していないのは全て米国のおかげだ。この偉大なる国(米国)に感謝すべきだ」と批判した。
フランスは米国の「最古の同盟国」として知られる。自由の女神像は米独立宣言100周年を記念して制作され、1886年にニューヨークのリバティー島に設置された。現代では米国の象徴として観光名所となっている。