バンドン会議70周年式典、開催せず=無料給食重視で緊縮財政―インドネシア 2025年03月17日 16時50分

【ジャカルタ時事】第三世界の首脳がインドネシアに集まり、「反植民地主義」を掲げたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)から4月18日で70年。2005年の50周年、15年の60周年は各国首脳が出席する記念式典が会議開催地の西ジャワ州バンドンで開かれたが、今回はこうした催しは予定されていない。
ジョコ前大統領とルトノ前外相は式典開催を計画していたとされる。昨年10月就任のプラボウォ大統領も式典開催を模索。スギオノ外相が今年1月にバンドンを訪れ、会議が行われた「ムルデカ会館」や関連施設を視察した。
しかし、プラボウォ氏が1月下旬、全省庁に予算削減命令を出したことにより、話が立ち消えになったという。背景には、同氏が大統領選で公約として掲げた「学校無料給食プログラム」の膨大な予算を確保する狙いがあるとみられている。
地元の女性記者は「残念だが、日々の取材でも政府が緊縮モードに入っていることを実感しており、仕方ない」とコメント。インドネシア外務省高官も「大きな式典は予定していないが、バンドン会議の精神は現在の世界情勢においてもとても意味がある。外交の場では必ず思い起こしてほしい」と話した。
05年の記念式典には、日本から小泉純一郎首相(当時)が出席。15年には安倍晋三首相(同)がジャカルタで開かれた首脳会議で演説し、先の大戦への「反省」にも言及した。
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