尹氏弾劾審判、宣告近づく=与野党、賛否訴えも「結果承服」―韓国 2025年03月16日 19時06分

【ソウル時事】韓国の尹錫悦大統領による「非常戒厳」を巡り、憲法裁判所が尹氏罷免の可否について近く宣告する見通しだ。週末には、反対派と賛成派が各地で大規模なデモを開催。罷免を求める野党と、弾劾訴追の却下・棄却を訴える与党の動きも激しくなっている。
尹氏の弾劾審判は2月25日に結審し、16日で19日が経過した。過去に弾劾訴追された盧武鉉元大統領は結審から宣告まで14日、朴槿恵元大統領は11日で、今回が評議に最も時間をかけていることになる。
評議が長引いている理由について、全員一致の決定を目指す中で、依然として意見の対立があるのではないかという見方もある。弾劾への世論の賛否が分かれる中、拙速な印象を与えないよう時間をかけている可能性もある。
宣告が近づき、与野党の動きにも熱が入る。革新系最大野党「共に民主党」は12日以降、国会からソウルの中心部まで約9キロを毎日行進し、早期の罷免を訴えている。野党側はこれまで罷免を見込んできたが、8日に予想に反して尹氏が釈放されたこともあり、なかなか宣告が出ないことに焦りの色も見える。
一方、保守系与党「国民の力」の国会議員らも憲法裁判所前でのデモに交代で参加し、却下・棄却を訴えている。ただ、「決定後」を見据えた動きも出始めており、同党の権性東院内代表は16日、結果を「承服する」との立場を表明。共に民主党の朴賛大院内代表も「憲法裁の判断を尊重するのは当然だ」と述べた。
憲法裁の決定には世論の動向も影響するとされ、「世論戦」(韓国メディア)の様相を呈している。世論調査機関「韓国ギャラップ」の14日の発表では、尹氏の弾劾(罷免)賛成は58%、反対は37%だった。
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