政治未経験の首相誕生=カーニー氏、解散総選挙を示唆―カナダ 2025年03月15日 00時41分

カナダ与党・自由党のマーク・カーニー党首=2月24日、東部モントリオール(AFP時事)
カナダ与党・自由党のマーク・カーニー党首=2月24日、東部モントリオール(AFP時事)

 【シャルルボワ(カナダ東部)時事】カナダ与党・自由党のマーク・カーニー党首(59)が14日、首都オタワの総督公邸での宣誓式を経て首相に就任した。元カナダ銀行(中央銀行)総裁で非議員。政治経験のない首相の誕生は同国史上初めてとなった。トランプ米大統領が関税などで圧力を強める中、就任早々難しいかじ取りを迫られる。
 新政権への期待感などから、低迷していた自由党の支持率は急回復をみせており、カーニー氏は近く解散総選挙に踏み切るとみられている。
 カーニー氏は宣誓式後、記者団に「数日以内にニュースがある」と述べ、実施を示唆。トランプ政権がカナダを「米国の51番目の州になるのが合理的だ」などと挑発していることを「常軌を逸している」と強く批判した上で、「いかなる形でも米国の一部になることは決してない」と強調した。
 カーニー氏就任に合わせて新内閣も発足した。米政権への対応に当たってきたジョリー外相を留任させ、ルブラン財務相は国際貿易相に配置換えして関税問題に専念させる。9日の党首選で争ったフリーランド前副首相は運輸相に起用し、党の結束を図った。
 2015年11月から9年余り首相を務めてきたジャスティン・トルドー氏は宣誓式に先立ち、総督に辞表を提出し、正式に退陣。トルドー氏は今年1月、不人気を背景に辞意を表明していた。 

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