タイで難民キャンプの病院閉鎖=米の対外援助停止で強制退院 2025年01月30日 05時26分

ミャンマー難民が暮らすタイ北西部ターク県のメラ難民キャンプ=2024年5月
ミャンマー難民が暮らすタイ北西部ターク県のメラ難民キャンプ=2024年5月

 【バンコク時事】トランプ米政権が対外援助を一時停止したあおりを受け、タイにあるミャンマー難民キャンプの病院が閉鎖された。援助がこのまま打ち切られる懸念もあり、タイ政府は喫緊の対応を迫られている。
 タイの対ミャンマー国境沿いでは、紛争や弾圧を逃れて来たミャンマーの少数民族ら9万人以上が9カ所の難民キャンプで暮らす。
 地元の医療関係者や報道によると、北西部ターク県にある最大規模のメラ難民キャンプの病院は28日に閉鎖された。米国の支援停止でスタッフが働けなくなり、入院患者は強制的に退院させられた。
 他のキャンプでも同様の事態が発生。キャンプ外で難民らの治療に当たるクリニックの一つも、予算の約30%を米国からの援助に頼っているため影響を受けた。
 難民キャンプを管轄するアヌティン副首相兼内相は29日、「誰も死なせない」と述べ、政府として対応する方針を強調。キャンプ外の医療機関も入院患者を受け入れるなど支援を開始した。
 難民問題に詳しいチェンマイ大学社会開発センターのチャヤン所長は「トランプ大統領なので、米国が援助を再開しない可能性もある。タイは援助に頼り過ぎないように政策を見直すべきだ」と指摘した。 

海外経済ニュース