豪パプアの安保協定発効=ラグビーリーグ拡大、中国にらむ 2024年12月12日 15時58分

12日、オーストラリアの最大都市シドニーで、パプアニューギニアのマラペ首相(左)と記者会見するアルバニージー豪首相(右)(EPA時事)
12日、オーストラリアの最大都市シドニーで、パプアニューギニアのマラペ首相(左)と記者会見するアルバニージー豪首相(右)(EPA時事)

 【シドニー時事】オーストラリアのアルバニージー首相は12日、最大都市シドニーで太平洋の島国パプアニューギニアのマラペ首相と会談し、有事の際の協力などを定めた2国間の安全保障協定を同日発効させたと発表した。また、豪州のラグビーリーグを2028年に拡大してパプアのチームを参入させることでも合意した。
 太平洋島しょ地域で影響力拡大を図る中国をにらみ、豪パプア両政府は昨年12月に安保協定に署名していた。両国軍の共同訓練を増やすほか、豪州はパプアに巡視船を供与し、警察支援も強化する。両首相は共同声明で「両国の連携にとって画期的だ」と意義を強調した。
 パプアはラグビーを国技とし、豪リーグ入りを長年要望していた。豪側はパプア参入の経費として10年間に6億豪ドル(約590億円)を支出する。豪メディアによると、パプアが安保協定に背く行動を取った場合、豪州がラグビー合意を撤回できるという「密約」が交わされたという。パプアが中国と安保面で接近しないよう囲い込む狙いがあるとみられる。 

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