核戦争回避「真剣に考えて」=地元TV特番で被爆者ら―ノルウェー 2024年12月12日 08時20分

11日、オスロで、ノルウェー国営放送NRKの番組に出演した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中熙巳代表委員(左)、事務局次長の児玉三智子さん(中央)、被爆3世の林田光弘さん
11日、オスロで、ノルウェー国営放送NRKの番組に出演した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中熙巳代表委員(左)、事務局次長の児玉三智子さん(中央)、被爆3世の林田光弘さん

 【オスロ時事】日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞を記念する特別番組が11日、ノルウェー国営放送NRKで放映された。10日の授賞式で講演した田中熙巳代表委員(92)ら3人が出演し、「未来を消滅させてしまう核戦争が起きないよう真剣に考えてほしい」(田中さん)と訴えた。
 田中さんと事務局次長の児玉三智子さん(86)、日本被団協代表団で最も若い林田光弘さん(32)が出演し、司会者の質問に答えた。
 田中さんは、原爆投下時の体験について問われ「多くの人が亡くなり、傷ついていたのを目撃した。惨状は言葉で説明できない」と語り、「今の(政治の)状況を放置していたら核戦争は起きる。大変心配している」と懸念を示した。「私たちの努力が未来に続くものと信じ、つらい中でも語ってきた」と述べ、受賞に「勇気が出てくる」と話した。
 広島で被爆した児玉さんは核保有国の指導者らに対し、「核兵器では国民の命は救えない。(核を使えば)地球全体が滅びると考えるべきだと伝えたい」と表明。林田さんは「(被爆者から)聞いてきた話を(世界に)伝えるのが私の役割」と強調した。 

海外経済ニュース