大統領弾劾案、与党は反対方針=7日採決、謝罪要求も―警察が前国防相の捜査着手・韓国 2024年12月05日 18時57分
【ソウル時事】韓国の尹錫悦大統領による「非常戒厳」の宣言が違憲だったとして野党が国会に提出した尹氏の弾劾訴追案について、与党「国民の力」は5日、反対方針を決めた。採決は7日に行われる見込み。与党から造反議員が出るかが焦点になる。
与党の韓東勲代表は党の幹部会議で「混乱による国民と支持者への被害を防ぐため、可決に至らないよう努力する」と表明。弾劾が革新系最大野党「共に民主党」への政権交代につながることを防ぎたい考えも示した。一方で、「違憲の戒厳令を擁護しようという意味ではない」と述べ、尹氏の離党を要求した。
同案の可決には国会の在籍議員300人のうち3分の2以上の賛成が必要。提出した野党6党や無所属の計192人の賛成に加えて、与党議員8人の造反が出れば可決される。投票は無記名で行われる。
反対方針を決めた与党内でも尹氏への批判が出ており、情勢は予断を許さない。若手議員5人は記者会見を開き「大統領は国民から権威と信頼を失った」と強調。尹氏の謝罪と責任者の処罰、大統領の任期(5年)を短縮する憲法改正を求めた。
尹氏は5日、金龍顕国防相の引責辞任の意向を受け入れて免職とし、陸軍出身の崔秉赫駐サウジアラビア大使を後任に指名した。警察は野党による刑事告発を受けて、刑法の内乱容疑で金氏の捜査に着手。韓国メディアによると、検察は同氏の出国禁止措置を取った。