シリア反体制派、中部要衝を制圧=政権軍、市外へ退却か 2024年12月05日 17時54分
【イスタンブール時事】内戦下のシリアでアサド政権への攻勢を強める反体制派勢力が5日、政権が支配下に置いてきた中部の要衝ハマを制圧したと宣言した。国営メディアによると、政権軍は5日、反体制派がハマ市内に入ったことを認めた上で「市民を市街戦に巻き込まないようにするため、軍を市外に再配置させる」と表明。反撃の構えを示しつつも、劣勢によって市内からの撤退を示唆した。
反体制派は先月27日に大規模攻勢を開始し、北部の要衝アレッポをほぼ制圧。その後は北西部イドリブ県全域など支配地域を広げながら南下した。首都ダマスカスと北部を結ぶ交通の要衝で、シリア第4の都市であるハマも掌握すれば、アサド政権には大きな痛手となる。
反体制派「シャーム解放機構」(HTS、旧ヌスラ戦線)を率いるジャウラニ氏は5日、SNSに投稿された動画で「ハマに進攻した」と主張した。
ただ、政権側は後ろ盾のロシアやイランの支援を受け、空爆などで攻撃を強める可能性もあり、戦闘が一段と激化する恐れもある。在英のシリア人権監視団によると、一連の衝突による死者は720人を超えた。