トランプ氏、有罪なら打撃=「不倫口止め」初公判―米大統領選影響も 2024年04月16日 15時25分

15日、米ニューヨーク州地裁に出廷したトランプ前大統領(AFP時事)
15日、米ニューヨーク州地裁に出廷したトランプ前大統領(AFP時事)

 【ワシントン時事】トランプ前米大統領(77)が不倫相手への口止め料を不正に処理したとされる事件の初公判が15日、ニューヨーク州地裁で開かれた。トランプ氏は11月の大統領選で復権を目指しているが、有罪判決なら支持者の10%が「投票したくない」と回答したという世論調査結果が出ている。同氏にとって正念場となりそうだ。
 大統領経験者が「刑事被告人」として裁かれるのは米史上初めて。トランプ氏は陣営を通して「この偽裁判は選挙干渉が目的で、バイデン大統領の政敵である自分への攻撃だ」と主張した。
 起訴状などによると、トランプ氏は2016年の大統領選直前、不倫関係にあったポルノ女優に当時の顧問弁護士を通じて13万ドル(約2000万円)の口止め料を支払った。弁護士に弁済する際に趣旨を偽って小切手を作成したなどとして34件の罪状で起訴された。
 キニピアック大の調査(全米1407人を対象に3月21~25日実施)によると、トランプ氏がこの事件で有罪となった場合、回答者全体の29%が「投票したくない」と答え、トランプ氏支持者の10%が同様の回答をした。さらにブルームバーグ通信が西部アリゾナや南部ジョージアなど大統領選の激戦7州で行った同様の調査によると、48%が投票に後ろ向きだった。
 大統領選で共和党候補の指名を確実にしているトランプ氏と現職のバイデン大統領(81)の争いは接戦が予想されており、支持者の離反はわずかでもトランプ氏にとって打撃となり得る。
 口止め料の不正処理事件は、トランプ氏が起訴された四つの刑事事件の一つ。今後、数日から数週間かけて陪審員を選定し、公判は6月まで続く見通しだ。
 コロンビア大のシャピロ教授(米政治学)は「(有罪判決なら)トランプ氏は上訴を続けて、最後まで争うだろう。有権者は現時点で批判的であっても、実際に選挙当日にどう行動するかは予断を持つべきではない」と指摘した。 

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