人質の居場所特定に「停戦必要」=ハマス幹部、イスラエルに要求 2024年04月12日 14時28分

イスラム組織ハマスの幹部バセム・ナイム氏(左)=2023年11月、ケープタウン(AFP時事)
イスラム組織ハマスの幹部バセム・ナイム氏(左)=2023年11月、ケープタウン(AFP時事)

 【カイロ時事】イスラム組織ハマスの幹部バセム・ナイム氏は11日、イスラエルとの戦闘休止と人質解放を巡る間接交渉に関連し、「拘束中のイスラエル人に関する最終的かつ正確なデータを取得するため、十分な時間と安全を確保できる停戦を実現させることが協議されている」と述べた。イスラエル側が求める人質解放の前提条件として、停戦が必要との認識を改めて強調した形。AFP通信が報じた。
 パレスチナ自治区ガザでの戦闘に関し、ハマスはこれまで一貫して恒久的停戦を要求しているのに対し、イスラエルは一時的な休戦を主張し、議論は平行線をたどっている。
 ナイム氏は「彼ら(人質)はグループごとに分けられ、別々の場所にいる。がれきの下敷きになり死亡している者もいる」と話した。ハマスは3月、130人程度とされる人質のうち何人が生存しているか分からないと公表していた。
 また、ナイム氏は先のエジプトでの間接交渉に関し、「停戦のための交渉であり、人質の取引(が目的)ではない。人質問題は議題の一つにすぎない」と語り、イスラエルをけん制した。
 別のハマス幹部は「最新の交渉で提示された内容は、われわれの要求を満たしていない」と言明。その上で、イスラエルが一時的な休戦やガザへの軍部隊駐留にこだわっていることが対立点になっていると述べた。
 一方、ロイター通信によれば、10日に息子3人がイスラエル軍に殺害されたハマス最高指導者ハニヤ氏は11日、「パレスチナの人々の利益が全てに優先される」と語り、間接交渉を継続する意向を表明。「われわれは合意に達しようと努めているが、占領者(イスラエル)が要求に対する回答を先延ばししている」と非難した。 

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