ラファ空爆続行、増える犠牲=代表団の米派遣へ再調整―イスラエル 2024年03月28日 14時05分

27日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファで、崩壊した建物を調べる人々(AFP時事)
27日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファで、崩壊した建物を調べる人々(AFP時事)

 【カイロ時事】イスラム組織ハマスの壊滅を目指すイスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファの複数箇所に空爆を加えた。ロイター通信が報じた。国連安保理で25日、ガザでの即時停戦を求める決議が採択されたが、イスラエルの攻撃はやまず、民間人の犠牲者が増え続けている。
 ラファでは27日、少なくとも4カ所の民家が爆撃され、一家11人が死亡したほか、別の場所でも女性や子供を含む4人が犠牲になった。空爆で父母を失った男性は、ロイターに「何が起きたのか理解できない。一緒にいた両親や友人が突然、ちりのように消え去ってしまった」と嘆いた。イスラエル軍は、身を隠すために民間施設を利用していたハマス戦闘員が標的だったと説明。ハマスはこれを否定している。
 イスラエルは避難民ら約150万人が身を寄せるラファをハマスの大隊が残る「最後のとりで」と見なし、地上侵攻作戦を準備中。米国などは民間人の犠牲拡大につながるとして、強い懸念を表明してきた。
 そうした中、イスラエルは安保理決議が米国の拒否権不行使で採択されたことに反発し、デルメル戦略問題相ら代表団の訪米を撤回。両国間の溝が深まったとの見方が出たが、米政府の27日の発表によると、米側との協議開催に向けた再調整が続いている。
 米政府高官はAFP通信に「(イスラエル)首相府はラファに特化した会談の再設定を求めてきた。都合の合う日程を調整中だ」と説明。イスラエル側の翻意について、同国のガラント国防相と、ブリンケン国務長官ら米高官との25、26両日の会談で「建設的議論」が行われたことが影響したとの見方を示した。 

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