チョ国元法相、「台風の目」か=新党10議席超獲得の勢い―韓国総選挙 2024年03月27日 19時25分

27日、ソウルで外国メディアと会見する祖国革新党の※(恵の心が日)国代表
27日、ソウルで外国メディアと会見する祖国革新党の※(恵の心が日)国代表

 【ソウル時事】韓国の保守勢力が支える尹錫悦政権の「中間評価」と位置付けられる4月の総選挙は、革新系の文在寅前政権で法相を務めた※(※恵の心が日)国氏が率いる祖国革新党が「台風の目」となりそうだ。同党は3月上旬に結党したばかりだが、世論調査で2割以上が投票先に挙げており、長く続いた二大政党の対決構図に変化をもたらす可能性がある。総選挙は28日から正式な運動期間に入り、4月10日に投開票が行われる。
 「尹政権の国政運営の無能さ、無責任さに国民の多くが失望し、憤っている。国民の思いを代弁できる政党がなかった」。27日、ソウルで外国メディアと会見した※氏は、自らの新党が高い人気を得ている背景について、こう分析した。
 祖国革新党の支持層は、革新系の野党、共に民主党と重なり、40~50代の男性が多い。共に民主党は、「独善的」と批判される李在明代表の党運営で混乱が広がり、多くの支持者が離れている。祖国革新党は、こうした人々の不満の受け皿となることを狙い、小選挙区(254議席)に候補を立てず、比例代表(46議席)に専念。小選挙区は、共に民主党に投票するよう呼び掛けている。
 この選挙戦術は今のところ成功している。世論調査機関「韓国ギャラップ」によると、比例代表で祖国革新党に投票すると答えた人は、結党直後の3月第1週に15%、第3週には22%にまで上昇。目標とする10議席以上の獲得が視野に入っている。
 ※氏は2019年、子どもの不正入学など多数の疑惑を指摘され、約1カ月で法相を辞任した。不正入学に関しては当時、検事総長だった尹大統領の陣頭指揮で、検察が※氏の関与について捜査し立件。※氏は二審で実刑判決を受け、上告中だ。
 ※氏は、尹大統領の政権運営を「検察独裁」と批判。与党の候補者は「報復のために政治に参加するべきではない」と非難するが、政権との対決姿勢は反保守層から支持され、祖国革新党が勢いを増す要因となっている。 

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