米長官「死傷者多過ぎる」と苦言=ガザ停戦決議後も攻撃続行―イスラエル 2024年03月27日 14時20分

オースティン米国防長官=19日、ドイツ南西部ラムシュタイン(EPA時事)
オースティン米国防長官=19日、ドイツ南西部ラムシュタイン(EPA時事)

 【カイロ時事】オースティン米国防長官は26日、訪米したイスラエルのガラント国防相との会談で、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が続くパレスチナ自治区ガザについて「民間人の死傷者数が多過ぎる」と語った。国連安保理でのガザ停戦決議を巡り米国とイスラエルの関係がぎくしゃくする中、改めて同国に苦言を呈した形だ。
 イスラエルはガザ最南部ラファへの侵攻計画に米側が懸念を表明したことを受け、代替案を協議するため近く代表団を訪米させる予定だった。だが、25日に採択された安保理の停戦決議に米国が拒否権を行使しなかったことに反発し、派遣を撤回した。
 イスラエルによる封鎖が続くガザでは、北部を中心に深刻な食料難に見舞われている。AFP通信によると、オースティン氏は会談で「人道支援の量が少な過ぎる」とも指摘。米国防総省高官は記者団に、オースティン氏がラファに残るハマス大隊の壊滅の必要性を認識しつつ、イスラエルには民間人保護という「道義的責任」があるとガラント氏に伝えたと説明した。
 しかし、イスラエルは安保理決議採択後も、攻撃の手を緩めていない。AFPによれば、ガザ南部ハンユニス近郊では26日夜、避難民キャンプへの空爆で複数の子供を含む12人が死亡した。軍は「テロリストが確認された」とする60カ所以上の標的に攻撃を加えたと発表。ハンユニスと北部ガザ市の大規模病院への攻撃や包囲も続いている。 

その他の写真

イスラエルのガラント国防相=26日、ワシントン近郊(AFP時事)
イスラエルのガラント国防相=26日、ワシントン近郊(AFP時事)

海外経済ニュース