カカオ豆、初の1万ドル台=ハーシーはチョコ値上げ―米 2024年03月27日 07時38分

カカオ豆を収穫する農家=2023年10月、コートジボワール・アゾペ(EPA時事)
カカオ豆を収穫する農家=2023年10月、コートジボワール・アゾペ(EPA時事)

 【ニューヨーク時事】チョコレートの原料、カカオ豆の高騰に歯止めがかからない。26日の米ニューヨーク市場では先物価格が一時、1トン当たり1万ドル(約150万円)の大台を初めて突破。主産地アフリカの天候不順でカカオ豆が品薄となっており、米チョコ大手ハーシーなどは商品の値上げでしのぎたい考えだ。日本でも価格改定の動きが出るなど、影響は世界的に広がっている。
 米インターコンチネンタル取引所のカカオ豆先物終値は9600ドル台と、2023年末比2.3倍に急伸。主産地である西アフリカのコートジボワールやガーナが天候不順で深刻な不作に見舞われていることが要因だ。国際ココア機関(ICCO)の推計によると、23年度(23年10月~24年9月)の世界生産量は前年度比11%減と大きく落ち込む見通し。
 ハーシーのバック最高経営責任者(CEO)は先月、「値段設定を含めあらゆる手段を利用する」と表明。これまでも値上げで収益を確保してきたが、さらなる引き上げが必要との考えを示唆した。ABCニュースによると、同社は今年に入ってから一部商品を値上げ済み。クッキー「オレオ」などを展開する米食品大手モンデリーズ・インターナショナルも価格改定を検討している。
 日本ではネスレ日本(神戸市)が今月から「キットカット」などを値上げした。
 カカオ豆を巡っては、アジア地域からの引き合いが強く、「来年も需要が生産を上回る」(米アナリスト)との観測が浮上。身近なお菓子であるチョコの一層の値上げは避けられそうにない。 

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