金与正氏「日本との交渉拒否」=拉致問題に不快感―北朝鮮 2024年03月26日 18時07分

北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長=2019年3月、ハノイ(AFP時事)
北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長=2019年3月、ハノイ(AFP時事)

 【ソウル時事】北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長は26日、日本が拉致問題で譲歩しない姿勢を見せているとして、「日本との接触や交渉を無視し、拒否するつもりだ」との談話を出した。朝鮮中央通信が伝えた。与正氏は金正恩総書記の妹。
 与正氏は25日にも談話を出し、日本に拉致問題での譲歩を迫ったが、林芳正官房長官がその後の記者会見で「拉致問題が既に解決されたとの主張は全く受け入れられない」と強調した。与正氏の26日の談話は、日本の姿勢が変わらないことに不快感を示したとみられる。
 与正氏は26日、「日本は歴史を変え、地域の平和と安定を目指し、新たな朝日関係の第一歩を踏み出す勇気が全くない」と指摘。「自分たち(日本)とは何も関係ない」核・ミサイル問題を取り上げ干渉していると主張した。
 さらに「史上最低水準の支持率を意識している日本の首相の打算に朝日関係が利用されてはならない」と岸田文雄首相を批判。「先に門をたたいたのは日本側であり、われわれは日本が過去に縛られず新たに出発する姿勢ができていたら歓迎する立場を明らかにしただけだ」と言及した。
 25日の談話は、首相が正恩氏との首脳会談の意向を北朝鮮側に伝えてきたと明らかにしていたが、与正氏は26日、「朝日首脳会談はわれわれの関心事ではない」と一蹴。北朝鮮は相次ぐ談話発表で、日本側との交渉を優位に進めようと揺さぶりをかけているもようだ。 

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