与野党双方と協力の用意=新党立ち上げた李韓国元首相―対日「不満・不安克服する案を」 2024年03月26日 16時44分

韓国南西部・光州で、市民にあいさつする新党「新しい未来」の李洛淵共同代表(中央)=16日(同党提供・時事)
韓国南西部・光州で、市民にあいさつする新党「新しい未来」の李洛淵共同代表(中央)=16日(同党提供・時事)

 【ソウル時事】4月10日投開票の韓国総選挙を前に、革新系最大野党「共に民主党」を離党し新党「新しい未来」を立ち上げた李洛淵元首相(71)が、26日までに時事通信の書面インタビューに応じた。この中で「国民生活に関するいかなる問題についても、対話し協力する準備ができている。与党であれ野党であれ、事案ごとに立法で連帯する」と表明した。1年間の米国留学を終えて昨年6月に帰国して以降、日本メディアのインタビューに応じるのは初めて。
 新党の共同代表に就いた李氏は、党として20議席以上の獲得を目指す考えを示した。与党「国民の力」と共に民主党の二大政党が過半数を取れない場合、「第三極」の新党がキャスチングボートを握る可能性もある。自身は南西部・光州の選挙区から出馬する。
 インタビューで、二大政党が「国民を分裂させるポピュリズム政治をしている」と指摘。国会で多数派を占める共に民主党が法案を通過させ、尹錫悦大統領が拒否権を行使する現状では「(政策が)何も進まず、国民だけが被害を受ける」と主張し、対立構図に一石を投じる「責任ある改革」を訴えた。
 尹政権の対日姿勢に関しては、元徴用工問題で「あまりに簡単に妥結しようとした」と批判。「国民は対日外交に不満を持ち、日本も尹政権の立場が継続されるか不安を抱かざるを得ない」状況だとし、「不満と不安を解消し、克服する案を作ることから始めなければならない」と語った。また、1998年に当時の小渕恵三首相と金大中大統領が署名し、日本の植民地支配への反省とおわびや「未来志向の関係」を明記した日韓共同宣言を「継承するところから始まる」との考えを示した。
 李氏は有力紙・東亜日報の東京特派員を務めた知日派で、全羅南道知事や首相、共に民主党代表も歴任した。 

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