ミャンマーへの人道支援開始=避難民に食料2万人分―タイ 2024年03月25日 16時55分

25日、タイ北西部メソトで、ミャンマーの国内避難民に向けた支援物資の引き渡し式典に参加するタイのシーハサック外務次官(中央)(タイ外務省提供・時事)
25日、タイ北西部メソトで、ミャンマーの国内避難民に向けた支援物資の引き渡し式典に参加するタイのシーハサック外務次官(中央)(タイ外務省提供・時事)

 【バンコク時事】タイ政府は、紛争が続く隣国ミャンマーの国内避難民に向けた人道支援活動を開始した。国境に近いタイ北西部メソトで25日、支援物資の第1弾をミャンマー側に引き渡す式典が開かれた。
 タイ外務省によると、支援物資は約2万人分の食料や生活必需品で、タイ赤十字からミャンマー赤十字に提供。東南アジア諸国連合(ASEAN)の担当者による監視の下、ミャンマー東部カイン州の3地域に届けられる。
 ミャンマーでは昨年10月以降、クーデターで実権を握った国軍と少数民族武装勢力との衝突が激化。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、270万人以上が国内避難民となっている。タイは1月のASEAN外相会合でミャンマーへの人道支援を提案し、各国から支持を得た。
 タイのシーハサック外務次官は式典で「ミャンマーの平和を願っており、紛争解決を助ける用意がある。支援地域も拡大する予定だ」と述べた。ただ、ミャンマー赤十字は国軍の影響下にあり、紛争地域に広く支援を行き渡らせるには、少数民族側の協力が不可欠だ。 

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