物資搬入の「障壁」排除を=ラファ侵攻回避へ圧力必要―国連総長 2024年03月24日 05時49分

23日、エジプト東部アリーシュで記者会見するグテレス国連事務総長(AFP時事)
23日、エジプト東部アリーシュで記者会見するグテレス国連事務総長(AFP時事)

 【カイロ時事】国連のグテレス事務総長は24日、訪問先のエジプトの首都カイロで記者会見し、人道危機が深刻化するパレスチナ自治区ガザへの支援物資の搬送に関し「イスラエルは(搬入の)障壁を取り除く必要がある」と訴えた。その上で、陸路での輸送が「唯一、効率的で効果的だ」と述べ、支援拡大の必要性を強調した。
 ガザでの食料不足の解消に向け、米国やアラブ諸国などは上空からガザに物資を投下。海路による搬入も実施されたが、危機的状況は改善されていない。
 グテレス氏は23日にガザとエジプトの境界にあるラファ検問所を訪問。イスラエルが準備を進めるガザの最南部ラファへの地上侵攻について「(回避に向けた)圧力をかけるため、可能な限りのことをすべきだ」と指摘した上で「侵攻すれば人道的大惨事になる」と述べ、イスラエルとイスラム組織ハマス双方に即時停戦を求めた。
 これに対し、イスラエルのカッツ外相はX(旧ツイッター)に「(グテレス氏は)ガザの人道状況に関してイスラエルを批判し、人道支援物資を略奪するハマスを非難しなかった」と投稿。イスラエルと国連の対立が改めて鮮明となった。 

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パレスチナ自治区ガザから逃れた女性を病院で見舞うグテレス国連事務総長=23日、エジプト東部アリーシュ(国連提供・時事)
パレスチナ自治区ガザから逃れた女性を病院で見舞うグテレス国連事務総長=23日、エジプト東部アリーシュ(国連提供・時事)

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