英豪、香港・台湾巡り中国けん制=ロシアとの連携も問題視 2024年03月22日 19時53分

 【シドニー時事】英国とオーストラリアの外務・防衛担当閣僚は22日、共同声明を出し、香港や台湾などの情勢を巡り中国を名指しで強くけん制した。ウクライナ侵攻を続けるロシアとの連携も問題視した。
 香港でスパイ行為などを取り締まる「国家安全条例」が成立したことに関し、声明は「自治と自由と人権の制度的な崩壊の継続」に深い懸念を表明。台湾海峡については「一方的な現状変更に反対する」とし、武力の行使や威嚇をしないよう求めた。南シナ海での中国によるフィリピン船への妨害行為にも言及し、「危険で安定を損なう」と厳しく批判した。
 また、ウクライナ情勢を巡り、「ロシアと緊密な関係を持つ国々、とりわけ中国に対し、ロシア支援をやめ、戦争終結を説得するよう求める」と訴えた。豪政府は前日まで中国の王毅共産党政治局員兼外相の訪問を受け入れ、経済面での関係改善を確認したが、安全保障や人権では妥協しない姿勢を声明で示した格好だ。 

海外経済ニュース