米首都の桜、一部伐採へ=日米親善の象徴、護岸工事で 2024年03月21日 14時31分

「スタンピー」の愛称で親しまれている桜=19日、ワシントン(AFP時事)
「スタンピー」の愛称で親しまれている桜=19日、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】米首都ワシントンの名所となっているポトマック河畔の桜の一部が、護岸工事のため5月から順次伐採されることになった。人々に愛された有名な桜の木も対象で、惜しむ声が上がっている。
 ポトマック川の河岸には、約3700本の桜が立ち並ぶ。1912年に東京市(当時)から贈られた桜がルーツで、日米親善の象徴として、毎年春には全米から花見客が訪れる。
 米国立公園局が13日に発表した計画では、計1億1300万ドル(約170億円)を投じた護岸工事のため、158本の桜を撤去。2027年の工事完了後、274本の桜の木を新たに植える予定という。
 19世紀後半から20世紀前半に整備された河岸の堤防は、老朽化が進み、建設当時から約1.5メートルも沈下。満潮時には浸水が常態化し、国立公園局は「数十年にわたる補修にもかかわらず、堤防は構造的に安全ではなく、来訪者の安全や桜を含む歴史的景観を脅かしている」と説明した。
 米メディアによると、伐採される中には「スタンピー」の愛称で親しまれてきた桜も。背丈が低く、細い幹から数本の枝が伸びるだけの武骨な木だが、毎年花を咲かせる姿が愛されてきた。今年が最後となることで、SNSには「悲しい」「スタンピーを救って」といった声が寄せられている。 

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