EV比率、29年に最低3割=米、排ガス基準を厳格化 2024年03月21日 05時38分

混雑する高速道路=米カリフォルニア州アルハンブラ(AFP時事)
混雑する高速道路=米カリフォルニア州アルハンブラ(AFP時事)

 【ニューヨーク時事】バイデン米政権は20日、米国内で販売される2027~32年型の自動車を対象にした新たな排ガス基準を決めた。車が排出する温室効果ガスの削減が目的。各メーカーは基準達成へ、乗用車に占める電気自動車(EV)の割合を現在の1割未満から29年型以降は最低でも3割程度に引き上げる必要に迫られる。
 昨年4月公表の当初案はより厳しい基準だったが、各社の反発を受けて見直した。最終決定では、毎年の基準厳格化のペースを緩やかに修正し、プラグインハイブリッド車(PHV)の普及も想定した。今秋に大統領選を控えるバイデン大統領は、譲歩により自動車労組の支持票を取り込む狙いもある。
 新基準は当初案より緩和されたとはいえ、32年型のEV比率を最大5割超と見込んでおり、「達成は容易でない」(日系メーカー担当者)。基準を満たせないメーカーは、他社から排出枠を購入せざるを得なくなり、経営負担が膨らむ。EVで出遅れた日本勢は、売れ筋のハイブリッド車(HV)で収益を確保しながら、EV開発を急ぐ戦略が求められそうだ。 

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