台湾・南シナ海「緊張緩和を」=豪、中国と関係安定化図る 2024年03月20日 09時41分

20日、キャンベラで握手する中国の王毅共産党政治局員兼外相(左)とオーストラリアのウォン外相(AFP時事)
20日、キャンベラで握手する中国の王毅共産党政治局員兼外相(左)とオーストラリアのウォン外相(AFP時事)

 【シドニー時事】オーストラリアを訪問中の中国の王毅共産党政治局員兼外相は20日、ウォン外相とキャンベラで会談した。両外相は、ハイレベルの対話を重ねて中豪関係の安定化を図ることで一致。ウォン氏は、台湾海峡や南シナ海での中国の威圧的な行動に懸念を示し、緊張を緩和するよう促した。また、ワインなど豪産品に対する中国の貿易制裁の全面解除を求めた。
 中国外相の訪豪は7年ぶりで、王氏はアルバニージー首相とも面談。豪政府は中国の李強首相の訪問を招請した。
 台湾海峡と南シナ海の情勢を巡り、ウォン氏は中国の「危険な行動」に懸念を伝え、「平和と安定を望む」と主張。「紛争のリスクを減らす予防的な取り組みがすべての人々の利益になる」と呼び掛けた。
 これに対し、王氏は中国の基本的立場を説明した上で、「中豪関係の発展は第三者の影響や干渉を受けるべきではない」と指摘。米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」に基づく豪軍への原子力潜水艦配備計画などを念頭に、対中抑止力強化の動きをけん制した。 

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20日、キャンベラで、握手するオーストラリアのアルバニージー首相(左)と中国の王毅共産党政治局員兼外相(EPA時事)
20日、キャンベラで、握手するオーストラリアのアルバニージー首相(左)と中国の王毅共産党政治局員兼外相(EPA時事)

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