国安条例、異例のスピード成立=統制強化に懸念―親中派独占、抗議広がらず・香港 2024年03月19日 20時03分

19日、「国家安全条例」を可決した後、拍手する香港立法会の議員ら(ロイター時事)
19日、「国家安全条例」を可決した後、拍手する香港立法会の議員ら(ロイター時事)

 【香港時事】香港立法会(議会)は19日、スパイ行為などを取り締まる「国家安全条例」を全会一致で可決した。香港政府は、中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開会中の今月8日に立法会に条例案を提出。立法会は政府を支持する親中派がほぼ独占しており、審議開始からわずか11日後の異例のスピード成立となった。条例は23日から施行される。
 国安条例は、中国主導で2020年に施行された香港国家安全維持法(国安法)を補完するもの。条例成立により、香港で社会統制が一段と強まるのは必至で、言論・報道の自由の後退や外国企業のビジネス活動への悪影響などを懸念する声が内外で高まっている。
 ただ、香港政府は条例案提出に先立つ意見募集で、支持が98%以上だったと説明。国安法施行で取り締まりが強化される中、条例制定に抗議する市民の動きは広がらなかった。 

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