米大統領、ラファ侵攻の再考迫る=イスラエル首相「他に方策なし」―ガザ情勢 2024年03月19日 18時31分

バイデン米大統領(右)とイスラエルのネタニヤフ首相(AFP時事)
バイデン米大統領(右)とイスラエルのネタニヤフ首相(AFP時事)

 【イスタンブール時事】イスラム組織ハマスの壊滅を目指すイスラエルが計画中のパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの侵攻を巡り、バイデン米大統領は18日のネタニヤフ首相との電話会談で、「深い懸念」を表明し、計画の再考を事実上求めた。これに対し、ネタニヤフ氏は19日、ラファにいるハマスの大隊壊滅には「地上侵攻以外に方策はない」との立場を改めて示し、計画を強行する姿勢を鮮明にした。
 両者の協議は2月15日以来、約1カ月ぶり。バイデン氏は、約150万人が身を寄せるラファへの侵攻計画に関し、代替策を協議するため高官を訪米させるよう求め、ネタニヤフ氏も受け入れた。18日の電話会談を受け、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は記者団に、ラファでの大規模作戦は「誤りだ」と指摘。「既に悲惨な人道危機を悪化させ、ガザの無政府状態を深める」と述べた。
 一方、米政府は18日、ハマスの軍事部門「カッサム旅団」ナンバー2のマルワン・イーサ氏がイスラエルの軍事作戦で死亡したことを確認した。ガザ地区のハマスにおいて、イーサ氏はヤヒヤ・シンワル氏らに次ぐナンバー3とされる。サリバン氏は「他の指導者たちは身を潜めている。正義はこの者たちにも下される」と強調した。
 ブリンケン米国務長官は20日にサウジアラビア、21日にエジプトを訪問し、戦闘休止交渉の妥結に向けた具体策やガザの人道危機について協議する見通し。AFP通信によると、ブリンケン氏は19日、訪問先のフィリピンで「ガザ住民の100%が深刻な食料不足に直面している」と述べ、支援拡充を改めて訴えた。 

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