上川外相、核物質禁止へ友好国グループ=宇宙平和利用で日米決議案 2024年03月19日 09時42分

18日、ニューヨークの国連本部で開かれた安保理会合で演説する上川陽子外相(中央手前)
18日、ニューヨークの国連本部で開かれた安保理会合で演説する上川陽子外相(中央手前)

 【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は18日、今月の議長国を務める日本主催で「核軍縮・不拡散」をテーマに閣僚級の公開会合を開いた。議長として出席した上川陽子外相は演説で、兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉開始機運を高めるため、「フレンズ(友好国)」グループを立ち上げると発表した。
 FMCTは、核兵器をこれ以上増やさないことを目的に、高濃縮ウランやプルトニウムなどの生産を禁止する条約。1993年に当時のクリントン米大統領が提案したが、事実上の核保有国パキスタンが反対し、交渉入りできていない。グループには日本を含め、米英仏独伊オーストラリアなど計12カ国が参加する。
 会合では、日米欧などがロシアによる核の威嚇や北朝鮮の核・ミサイル開発を非難し、中国の核戦力増強にも懸念を表明した。トーマスグリーンフィールド米国連大使は「中ロそれぞれと前提条件なしで今すぐにでも軍備管理協議に臨む意思がある」と述べた。
 トーマスグリーンフィールド氏はまた、軍事的重要性が高まる宇宙空間に関し「核兵器が地球の軌道上に配備されることは、前例がなく危険だ」と強調。日本と共に、67年発効の宇宙条約で定められている宇宙空間への核配備禁止を再確認し、宇宙の平和利用を促す安保理決議案の採択を目指すと明らかにした。 

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