経済安保で新組織=情報分析・政策提言担う―政府検討 2025年09月01日 19時03分

海底で集めたレアアース(希土類)の粉=2013年10月、神奈川県横須賀市の海洋研究開発機構
海底で集めたレアアース(希土類)の粉=2013年10月、神奈川県横須賀市の海洋研究開発機構

 政府は経済安全保障全般に関して情報収集・分析や政策提言、官民連携に当たるシンクタンク組織を2027年度にも新設する方向で検討に入った。国の立案能力や対処力の向上につなげるのが目的。来年の通常国会に関連法案を提出する段取りを描く。政府関係者が1日、明らかにした。
 経済安保の対象は重要鉱物や半導体、人工知能(AI)など多岐にわたり、担当する省庁が分散する。このため、政府としての総合的な対応に課題があるとされてきた。
 新組織は米国やオーストラリアなど同盟国・同志国の機関と連携。各国の貿易統計や民間の航路情報を用い、各種物資の輸送経路を調査・分析するなどしてサプライチェーン(供給網)リスクを可視化し、各省庁に情報提供する。
 官民や産学官の円滑な連携を図るための協議会の管理・運営も担う。政府関係者は「外交、情報、防衛、経済、技術の専門知識を集約し、総合的に政策提言するのが狙いだ」と語る。
 形態は独立行政法人や特殊法人を想定。内閣府、経済産業省、文部科学省が共同で所管する案を軸に調整を進めている。 

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