〔NY石油〕WTI反落、65.16ドル=3週間ぶり安値(25日) 2025年07月26日 05時38分

 【ニューヨーク時事】週末25日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米欧の貿易協議進展への期待が広がる中、需給緩和懸念が圧迫要因となり、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.87ドル(1.32%)安の1バレル=65.16ドル。これは中心限月の清算値ベースで6月末以来、約3週間ぶりの安値水準。10月物は0.79ドル安の64.34ドルだった。
 米商務省が25日発表した6月の耐久財受注額は前月比9.3%減と、市場予想(ロイター通信調べ)の10.8%減をやや上回った。ただ、設備投資の先行指標となる非国防資本財受注(航空機を除く)は0.7%減と、市場予想(0.2%増)に反する落ち込みとなった。中国財政省が同日発表した1~6月期の歳入は前年同期比0.3%減となり、減少率は1~5月と同水準だった。エネルギー消費大国である米中の低調な経済指標を受けて需給緩和懸念が広がる中、原油売りが先行した。
 南米ベネズエラ産石油の供給を巡る思惑もなお相場の重し。複数のメディアは前日、トランプ米政権が米石油大手シェブロンによるベネズエラでの操業を再び許可する方向で検討していると伝えた。この報を受け、市場関係者の間からは、ベネズエラで石油生産が再開されれば、同国産石油の供給が日量20万バレル増加するとの観測も浮上している。
 ただ、相場は65ドル割れ目前で下げ止まり、その後は売り買いが交錯。8月1日の米関税措置の猶予期限を控え、米国と欧州連合(EU)との関税協議が進展するとの期待が投資家心理を支援した。EUのフォンデアライエン欧州委員長は25日、X(旧ツイッター)への投稿で、貿易問題を巡り、トランプ大統領と27日に英スコットランドで会談することで合意したと明らかにした。
 ▽ガソリン=続落。中心限月8月物の清算値は0.72セント安の1ガロン=209.70セント。
 ▽ヒーティングオイル=4日続落。8月物の清算値は0.67セント安の1ガロン=240.62セント。

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