高値圏で定着 2025年07月25日 14時32分
水戸証券シニアテクニカルアナリスト野坂晃一氏
日米関税交渉の合意で昨夏以来の水準を回復した日経平均株価は、今後も高値圏での推移が定着するだろう。レンジは一段切り上がったとみており、懸念材料であった米関税の引き下げが示されたことから、株価の急落はないのではないか。
これまで相場をけん引していた半導体株はやや上げ一服となり、出遅れていた銘柄に資金が向かうだろう。物色対象は割安株中心に拡大していき、幅広い銘柄への買いが相場を支えると見込んでいる。一方で、日本経済への逆風は完全に収まったわけではなく、これから発表される企業業績を見極めたいとの姿勢は強まるため、株価の早期の上振れは難しい。
参院選の結果を受け、政府による財政出動が予想されるが、これは債券価格の下落で起きる悪い金利上昇を招く可能性を残している。さらに、日米の政策金利調整で為替が円高に振れることも株式市場にはリスク要因となるだろう。