〔東京外為〕ドル、144円台半ば=売り買い交錯でもみ合い(30日午前9時) 2025年06月30日 09時12分

 30日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、月末のドル買いフローと日米貿易協議の先行き不透明感による売りが交錯し、1ドル=144円台半ばでもみ合っている。午前9時現在は、144円50~51銭と前週末(午後5時、144円46~47銭)比04銭の小幅ドル高・円安。
 27日の米国時間の序盤は、5月の個人消費支出の低調な結果を受けて、いったん144円30銭台に下落。ただ、コアPCE物価指数の伸びが予想を上回っていたことや、月末に伴うドル買いフローで144円90銭台に乗せた。中盤は、いったん144円50銭台に軟化したが、終盤に長期金利が上昇すると144円80銭付近へ水準を切り上げた。
 30日の東京早朝は、トランプ米大統領が、日本の自動車輸出について「不公平だ」と不満を示し、「自動車に25%の関税を支払うことになる書簡を送ることができる」と表明。日米の通商交渉の先行き不透明感から、一時144円20銭台に下落した。ただ、「市場はトランプ米大統領の発言に慣れてきており、冷静に受け止めている」(資産運用業者)といい、144円60銭台に水準を切り上げた。
 ドル円は、トランプ米政権の関税政策の先行き不透明感やFRBの利下げ観測の思惑により、145円手前で上値が重かった。一方、米主要株価指数の堅調で下値も堅かった。東京市場は、目立った材料は見当たらず、日経平均や時間外の米長期金利をにらみながらの推移にとどまるとの見方が多い。市場関係者は「方向感出づらく、144円半ばを中心にもみ合う」(外為仲介業者)と予想する。
 ユーロは対円、対ドルともに上昇。午前9時現在は、1ユーロ=169円45~47銭(前週末午後5時、169円24~25銭)、対ドルでは1.1726~1728ドル(同1.1715~1716ドル)。

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