〔NY外為〕円、144円近辺(22日) 2025年05月23日 06時37分
【ニューヨーク時事】22日のニューヨーク外国為替市場では、この日発表された米経済指標が強めの内容だったことを受け円売り・ドル買いが優勢となり、円相場は1ドル=144円近辺に下落した。午後5時現在は143円91銭~144円01銭と、前日同時刻(143円63~73銭)比28銭の円安・ドル高。
米議会下院は22日、トランプ大統領肝煎りの大型減税を盛り込んだ法案を可決した。法案審議は上院に移る。法案に含まれたのは、今年末に期限を迎える大型所得減税の恒久化やチップなどの税額控除、米国内に工場を建設する企業に対する優遇措置など。一方、クリーンエネルギー促進策の撤回などを通じ歳出カットを図る。ただ、税収減による政府債務膨張が懸念されており、議会予算局(CBO)の試算では財政赤字が2034年度までに3兆8000億ドル(約550兆円)増えるという。米財政悪化懸念が根強い中、安全資産としての円買いも入り、ニューヨーク市場は円高・ドル安地合いで取引を開始した。
その後、米労働省が発表した最新週の新規失業保険申請は前週比2000件減の22万7000件となり、改善に転じた。市場予想よりも良い内容だった。S&Pグローバルが発表した5月の米製造業・サービス業購買担当者景況指数(PMI)速報値はともに52.3と前月から上昇した。労働市場や景気の底堅さを示唆する内容だったことを受け、ドルはじりじりと買い戻され、取引終盤まで円売り・ドル買いが優勢となった。
軟調な経済指標を背景とした対ユーロでのドル買いが波及した面もあった。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1274~1284ドル(前日午後5時は1.1325~1335ドル)、対円では同162円32~42銭(同162円70~80銭)と、38銭の円高・ユーロ安。