〔NY金〕4日ぶり反発、3243.30ドル=週間では1.67%安(2日) 2025年05月03日 03時42分
【ニューヨーク時事】週末2日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、安値拾いの買いが優勢となり、4日ぶりに反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比21.10ドル(0.65%)高の1オンス=3243.30ドル。週間では1.67%安となった。
米中貿易摩擦緩和の兆しを背景に安全資産としての金需要が後退し、前日の相場は3%近く下落。その反動で、この日は安値拾いの買いが先行した。
一方、中国商務省は2日、トランプ米政権が関税交渉を求めて接触してきたため、「評価を行っている」と表明。交渉入りに向け、米国側が何らかの「誠意」を見せるべきだとも述べた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)は2日、関係筋の話として、中国が米国との貿易交渉入りを見据え、米国が懸念する合成麻薬フェンタニルの流入問題について中国側の対処方法を考慮していると報じた。米中貿易摩擦の緩和期待も根強く、相場の上げ幅は限定的だった。
米労働省が朝方発表した4月の雇用統計によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比17万7000人増と、伸びは3月(18万5000人増=改定)から減速したものの、市場予想(ロイター通信調べ)の13万人増を上回った。労働市場の底堅さが示唆されたことを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ期待がやや後退。米長期金利が上昇し、金利を生まない資産である金の投資妙味が薄れたことも相場の上値を抑えた。