大規模リコール、26日投票=「親中」野党24議員対象、ねじれ解消焦点―台湾 2025年07月25日 14時30分

台湾立法委員(国会議員)のリコール推進団体が開いた集会で「罷免に同意」と書かれたプラカードを掲げる参加者=24日、台北市
台湾立法委員(国会議員)のリコール推進団体が開いた集会で「罷免に同意」と書かれたプラカードを掲げる参加者=24日、台北市

 【台北時事】台湾立法院(国会、定数113)で多数派を占める対中融和的な最大野党・国民党の立法委員(国会議員)24人を巡り、リコール(解職請求)の賛否を問う投票が26日行われる。中国と敵対する与党・民進党系の市民団体が、防衛予算をカットするなどした国民党主導の議会運営を「中国に浸透されている」と批判し、実施に必要な署名を集めた。台湾でこれほど大規模なリコール投票は前例がない。
 続く8月23日には別の国民党立法委員7人のリコール投票も行われる。いずれの選挙区でも立法委員が失職すれば3カ月以内に補欠選挙が実施され、民進党は6議席以上を奪えば過半数を確保する。少数与党の「ねじれ議会」が解消し、頼清徳総統は安定した政権運営が可能になる。
 「親中の国民党立法委員を罷免しなければならない」。台北市中心部でリコール推進団体が24日開いた集会で、登壇した参加者はこう訴えた。台風7号接近で雨脚が時折強まる中、主催者発表で約10万人が集結した。
 昨年1月に総統選と同時実施された立法委員選の獲得議席は、民進党51、国民党52といずれも過半数の57に届かなかった。国民党は第2野党・民衆党(8議席)と組んで多数派を形成し、頼政権を追い詰めている。
 特に防衛費を含む今年の予算は、国民党主導で大幅に削減・凍結された。中国を「敵対勢力」と位置付けて対米関係強化に努める頼総統は、防衛力の底上げや米国製兵器などの輸入拡大を目指すが、野党が立ちふさがる構図だ。
 これに反発する与党系市民団体が、リコール投票に向けた署名を選管当局に提出。中国に抵抗して台湾を守る「反共護台」などを合言葉に、国民党立法委員の排除を呼び掛けている。
 リコール投票を「民進党独裁につながる」と非難する国民党も民進党立法委員のリコール運動を試みたが、どの選挙区も規定数の署名集めに失敗し、守勢に立っている。検察当局が国民党関係者を署名偽造の疑いで摘発する事件も相次いだ。 

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