〔東京外為〕ドル、147円台前半=米高関税を受けた買い再燃で上昇(9日正午) 2025年07月09日 12時05分
9日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米国の高関税を受けた買いが再燃し、1ドル=147円前後に上昇している。前日の海外時間に147円台に乗せた後は伸び悩んだが、東京時間に入って改めて買いが強まった。正午現在、147円05~06銭と前日(午後5時、146円03~04銭)比1円02銭の大幅ドル高・円安。
前日の海外市場では、欧州時間に入ってトランプ関税政策を受けて改めて買いが再燃し、米国時間の序盤には146円40銭前後に浮上。その後も米長期金利の上昇を背景に買いが続き、中盤には一時147円近くまで上値を伸ばした。同水準では戻り売りも出て、終盤には146円50銭台に伸び悩んだ。東京時間早朝もおおむね同水準で推移した後、午前9時にかけて146円80銭台に上昇。午前9時以降、いったん同水準でもみ合ったが、仲値前後に改めて買いが入り、147円台に乗せた。同水準では戻り売りが出て、146円70銭前後に下げたが、正午にかけて再び買いが優勢となっている。
トランプ大統領が7日に通知した日本に対する新たな関税率は25%。各国にも高関税を通知したが、これにより、米国のインフレ懸念が再燃。FRBの利下げが遠のいた、との見方から米長期金利は上昇傾向が強まった。東京時間の朝方までは「海外時間に上昇した反動から売りも出ていた」(FX業者)ものの、午前9時以降は「上値を試す動きが強まった」(為替ブローカー)という。また、米国の高関税は「日本経済の下押しとなり、日銀の利上げが遠のいたとの見方から円売りが根強い」(大手邦銀)と指摘される。ただ、「上昇ピッチが速く、一段の上げ余地は限られるのではないか」(同)との声が聞かれる。
ユーロは午前9時以降、対円はもみ合い。対ドルは小安い。正午現在、1ユーロ=172円22~22銭(前日午後5時、171円73~75銭)、対ドルでは1.1710~1711ドル(同1.1759~1760ドル)。