割安さなく 2025年06月18日 15時06分

三木証券商品部投資情報課次長・北沢淳氏
 株価収益率(PER)で見ても、株式益回りと債券利回りの差であるイールドスプレッドで見ても、日本株は割安と言える水準ではなくなっている。業績予想の上方修正期待が高まらなければ、日経平均株価が3万9000円を抜けて4万円に到達するのは難しい。
 7月以降、米国の高関税の影響が米経済指標で顕在化し、市場が動揺する可能性がある。原油高の物価への影響も気になる。関税と原油の影響が重なると米金融政策のかじ取りは難しくなる。
 ただ、市場の底堅さは保たれよう。日本企業は自社株買いなど資本効率改善の動きを強めており、海外投資家から注目されている。米国の利下げ期待は米株の下支えになる。
 全体に上値が重くても個別物色は続くとみられる。4~6月期の決算発表では森を見ず木を見る方が良さそうだ。関税の影響を受けにくい内需の好業績銘柄を選好することが、安心感につながるのではないか。

注目ニュース